JIA(日本建築家協会)東海支部の四月の役員会で承認を受け、「こどもの建築学校」委員会がスタートした。役員のみなさんの温かい支えにほんとうに感謝した。

設立最初の委員会が5月14日に開かれた。委員長の鈴木賢一先生(名市大大学院芸術工学部学部長教授)の設立趣意書の宣言から始まり、一人ひとりがこの委員会や活動に関わる動機や意気込みなどを話した。

わたし自身も動機を振り返る機会となった。2004年の建築士会全国大会で昨年UIAゴールデンキューブ賞を受賞された渋谷さんと細田さんが開催するプログラムに偶然参加していた。その時の衝撃は今でも鮮明に覚えている。「すげえ~!建築の可能性ってこんなに広がってるんだ!」というものだった。こどもの構築環境教育はまだまだこれからだが、こどもたちの発達にこんなにも有効なプログラムを建築が用意できるなんて、という驚きと期待のようなものだった。

2005年、JIA(日本建築家協会)愛知地域会が白鳳小学校で建築教室を開催するようになる。割箸建築で人間を支える構造を模索するのだが毎年新しい発想がこどもたちから出ることに驚いた。その後紙コップでの造形と空間体験へと移行し、昨年からは高橋敏郎先生(愛知淑徳大教授)考案のダンカードも併用するようになった。全国でも授業時間の中で建築教室を開催しているのは稀であり、白鳳小学校の校長先生はじめ先生方のおかげでもある。

一昨年JIAゴールデンキューブ賞の公募から審査、そしてパリのUIA本部に日本選出作品を送るという重要な任務をJIA東海支部が受けて動いた。続いて昨年は「こどもの建築活動発表交流会」を名古屋で開催した。これらの活動は貴重な経験と大切なつながりを与えてくださった。

「こどもの建築学校」委員会を設立し、いよいよその活動も次のステージへと移る。早速ではあるがいくつもの活動がまったなしで動き出している。「建築家大会2015金沢」では「建築と子供たち」の全国ネットワーク会議を大会実行委員会とともに共催することになった。21世紀美術館シアター21を会場としておさえて頂きプログラム案もできつつある。こどもたちの発達に有効な優れたプログラムを研究・実践しながら、活動交流を広めてゆきたい。